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防災社会デザイン研究会 慶應SFC

初の公開模擬カウンセリングを見学


土佐清水市の清水中学校にて行われた公開模擬カウンセリングを見学しました。

左:カウンセラー役(高知大学 精神科医) 右:校長先生(清水中学校)

生徒の前で公開カウンセリングを行う様子

左:カウンセラー役(高知大学 精神科医) 右:校長先生(清水中学校)

公開模擬カウンセリングは、ここ数年行われている生徒による避難所運営訓練の後に実施され、生徒の前で精神科医が避難所運営に疲弊した校長先生に対してカウンセリングを行うというものでした。

避難所が開設して1週間が経った頃、不眠不休で働く職員を心配し、そのことを医師に相談する校長先生。相談してみると、校長先生自身も気を張り続けており、疲労していること、また自身も被災者であることを改めて気付かされるという内容でした。

生徒の前で公開でカウンセリングを実施するのはおそらく日本初の試みです。

災害時だけでなく平常時からカウンセリングに対して抵抗感を持つのが日本の現状です。心の傷が浅いうちにカウンセリングを受けていれば回復していたはずが、この抵抗感のために悪化してしまうことも多々あるといいます。

カウンセリングに対する心理的ハードルを下げるため、学校のトップである校長先生がカウンセリングを公開して行うこととなりました。

生徒達も始めが何が行われているか分かっていない様子でしたが、徐々に理解し聞き入っている様子でした。

質疑応答では、避難所におけるクレーマーの対応について生徒から質問がありました。毅然とした対応をとることと、このような状況ではストレスが貯まることが当たり前であることを説明し、しっかり仲間内で愚痴を吐くことも大切であるとアドバイスしていました。

避難所運営訓練では自分自身も被災者である、ということがどうしても忘れがちになってしまいます。この公開模擬カウンセリングはカウンセリングの心理的ハードルを下げるだけでなく、避難所運営を行う人自身も被災者であることを認知させる良い機会になるのではないでしょうか。


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