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防災社会デザイン研究会 慶應SFC

起震車を利用した防災教育〜高崎市立西小学校にて〜


3月12日に、群馬県高崎市立西小学校で防災教育を行いました。

(先生から「だんごむし!」と言われて素早くダンゴムシのポーズをとる高崎西小の子供達)

前日である3月11日は、東日本大震災から4年となることもあり、この日に防災の授業を行えたということをありがたく思っています。

ダンゴムシのポーズとサルのポーズや、落ちてこない倒れてこない移動してこないという三つのポイントなどを説明した後、家庭科室や図書室などに移動し、緊急地震速報が流れたときの行動を実践的に学びました。

さて、大木研ではこういった防災教育を様々な場所で行っていますが今回は初の試みとして、それらの防災教育の後に起震車を利用させていただくことができました。

(大木研メンバーが、起震車体験の説明をする様子)

私は以前から、起震車に乗ることの意味について考えています。

学校や防災イベントではよく、起震車に乗る体験があります。しかし子供達は「楽しい!!」とはしゃいだり、笑顔で起震車に乗ることが多いように思います。私自身そういう子供達を見てきました。これが良いか悪いかではなく、果たして起震車に乗る意味というのは果たされているのでしょうか。そもそも「起震車に乗る意味」とは何であるのでしょうか。

せっかく揺れを体験できるのだから自分の身を守る行動がとれるか、それを子供達には体験してほしいと思いました。

「今日はみんな、防災のお勉強をしたよね。ダンゴムシのポーズ、サルのポーズをやったね。3つのポーズを覚えたね。じゃあ、揺れている中でもできるかな?」

そういって起震車体験を始めます。

みんな、必死にポーズを取ろうとします。机に入れない子は机に背を向けてダンゴムシ。中にはダンゴムシのポーズをとった後、その低い姿勢のままイスの下に移動してくれた子もいました。

「これが楽しいだなんて信じられない」

「上手にポーズがとれなかった」

「東日本大震災ではこれよりもっと揺れたの?」

子供達の言葉にはとても気持ちがこもっていて、防災教育と起震車体験を組み合わせるとこんなにも効果があるのかと感じました。

その後、高崎西小学校の先生から子供達の感想を送っていただきました。

「起震車で言われたことをやろうとしても体が動きませんでした。」

という感想も多くありましたが、私はこういった体験こそ意味があると感じます。

ダンゴムシのポーズを覚えれば自分の身は守れる、のではなく本当の地震が起きたら自分の思い通りには動けない、しかしその中でもダンゴムシのポーズをとろうと反射的に動くことが身を守ることに繋がるのではないでしょうか。

大木研の防災教育と起震車体験とを結びつけることで、学びを学びのまま終わらせない、「考える」防災を子供達が学ぶことができるのではないかと感じました。

今回起震車を利用させていただいた群馬県庁の皆様とご協力いただいた高崎市立西小学校の先生方、生徒の皆さん、ありがとうございました!


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