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防災社会デザイン研究会 慶應SFC

東京から一番遠い市,土佐清水.


 私たちがこの日向かった先は,東京から最も遠いといわれる市,土佐清水市にある下ノ加江小学校です.土佐清水市は,新鮮な魚が獲れる綺麗な海があり,クジラを見られるスポットとしても人気があります.しかし,海に恵まれた地形であることから,過去には何度も大津波の被害にあっています.

 東日本大震災後に見直された南海トラフ地震の被害想定では,地震発生からわずか数十分で5〜10メートルの津波が到達し,最高波高は34メートルにも達すると言われています.

 ここからは,この被害想定の中どのような防災教育の授業が下ノ加江小学校で行われているのかを始め,私たちが土佐清水に滞在した2日間の様子をご紹介します.

-1日目-

下ノ加江小学校の先生が行う防災教育の授業見学をしました.

「津波から避難する方法を考える」を授業のめあてとして,「津波から避難する時は想定にとらわれないで率先して避難する」ことをみんなで確認しました.学校の先生が行う防災授業の様子を見る機会は滅多にないことでしたので,生徒の興味を引き出す授業展開など勉強になることがたくさんありました.

-2日目-

大木先生が全校生徒に防災教育の授業を行いました.

♦3時間目

命を守る3つのポーズを学びました.

  • 地震だ!近くに机がないとき=だんごむしのポーズ

  • 地震だ!近くに机があるとき=さるのポーズ

  • 火事だ!煙だ!=あらいぐまのポーズ

♦4時間目

教室に戻って,自分たちの教室の写真を使いながら,教室の中に潜む危険を探しました!

まずは,危険なだと思うものに「!」マークをつけていきます.

その後,大木先生は「蛍光灯が落ちてくる危険と机の上の筆箱が落ちてくる危険,どっちがより危険だと思う?」という質問を子供たちにしました.

すると,「蛍光灯!!」と一斉に答えが返ってきました.

そこで今度は,これまでつけた「!」マークの中で,筆箱や掲示板の画鋲などの小さな危険を小さな「!」マークにつけ換える作業をしました.教室にあるもの全てを「危険!!」と考えるのではなく,大きな危険と小さな危険に分けて考えることを確認しました.

  • 大きな危険:落ちてきたり,倒れてきたり,移動してきたりしたら大怪我をしてしまうもの

  • 小さな危険:落ちてきたり,倒れてきたり,移動してきたりしても軽いけがで済むもの

身の回りの危険を見つけられるようになったら,今度は家庭科室に移動して実践です.家庭科室には,ガスコンロや食器など危険なものがたくさんあります.みんなで楽しく料理を作っている(演技をしている)と...

《《 ティロンティロン 》》緊急地震速報の音がなりました!

みんなすぐに手を止めて,自分で判断して身を守る体制をとりました.

机の下に入った子.

机が周りにないときは,落ちてくるもの・移動してくるもの・倒れてくるものがないかを確認して,だんごむしのポーズ!!

みなさん大変よくできていました.

授業後には,「今日学んだことを家族に伝える!」と感想を言ってくれた子もいて,小学校で行った防災教育が,家族,地域へと波及していく可能性を改めて感じました.

次の土佐清水訪問は,10月です.その間は,「だんごむし通信」を毎月発行して,土佐清水のみなさんと繋がっていきたいと思います.


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