熊本では今も余震が続いています。 現地に行くことが困難であっても、遠方からの支援は可能です。 個人で支援物資を送ることもその1つの手段ですが、 その際に気をつけるべきことを過去の災害の教訓からまとめました。 送る前に、ぜひご一読ください。
救援物資の仕分けには、多くの人手と時間がかかる。1)2)3)
送られてきた支援物資は1つ1つ中身を確認しなければいけません。 必要な場所へ必要な物を送るために中身を分類・仕分けする必要があります。 ここにかかる人手・時間は、個人から救援物資を送る時の課題の1つです。 一方で、企業からダンボールで送られているものはありがたかったと言われています。一箱に同じものがまとまっていたため、衣服であればさらにサイズが入れ物に書いてあったためです。まとまった数が送られていたことも、物資の分配の負担を下げたと言われています。 もし送る場合は、同じものをひとまとめに詰め、中身や量が一目でわかるよう入れ物に明記することが大切です。
「あったら便利だろう」では送らない。3)
現地にあっても困らないものを送ることが重要です。例えば、缶切りが必要な缶詰や電池交換が必要なものは気をつけましょう。 特に気をつけるべきものは「古着」です。誰が来ていたかわからないものに抵抗感を感じる人もいます。下着だとなおさらです。 被災した人たちは今困っていますが、被災する前まで自分たちと同じ生活を送っていたことを忘れないでください。 物資が送られてきても仕分けできないと避難所などのスペースはせばめられてしまいます。
送ることを特に控えるべきもの。2)3)
生物やびん詰…腐ったり、割れてしまったりします。
賞味期限切れのもの。
どちらも過去の災害時に実際に支援物資として送られたものです。
お金も支援の1つ。3)4)5)
現地に足りないものに対して必要なものを的確に送ることは個人では難しいと思われます。現地の人がその物資が足りていないと思ったタイミングに対して、報道で伝わるまでや私たちが送ったものが届くまでにはズレがあるからです。 また、その物資が足りてないことは事実であっても、全国から送られてくると過剰供給になってしまうこともあります。北海道南西沖地震の際には奥尻島に食料が送られましたが、その量は全島民が食べる食料2年分ぐらいであったそうです。 被災者への義援金、支援団体への支援金を送ることも支援の1つではないでしょうか。
【参考資料】
「1993年北海道南西沖地震 瀬棚町災害記録書」瀬棚町(1995/3),p.105
「北海道南西沖地震奥尻町記録書」奥尻町(1996/3),p.158
「それでも奥尻の海は青かった—北海道南西沖地震救援キャンプ報告書—」北海道YMCA(1993/10),p.16-17
「平成9年度防災関係情報収集・活用調査(阪神・淡路地域) 調査票」(財)阪神・淡路大震災記念協会(1998/3),p.26
「平成7年 兵庫県南部地震 神戸市災害対策本部民生部の記録」神戸市民生局(1996/8),p.14