9月11日に、日帰りで淡路島へ巡検に行ってきました!
お昼頃に淡路島に集合をし、まずは野島断層保存館を見学しました。
ここは様々な展示や、地震体験を通じ、阪神・淡路大震災について学ぶことのできる施設です。
中でも特にユニークかつ、印象的なものが、「断層保存ゾーン」と「メモリアルハウス」です。断層が地表に出現した、大きな地面のズレや、それによって大きく傾いてしまった民家が、当時の状態のまま保存、展示されています。
「数メートル地面がずれる」という衝撃的な状況を目の当たりにし、改めて地球の力の強大さと、そこに生かされている自分という存在を、再認識させられました。
野島断層保存館を見学後、淡路島の北西部に位置する平林へと移動をしました。
ここは、「阪神淡路大震災によって生じた地表のズレを見ることができる」という期待を胸に抱いて向かった場所でした。
しかし現地へと着いてみると、一目見てすぐに分かるようなズレは見当たりませんでした。つまり、1995年に出現した断層によるズレは、20年経った現在ではほとんど分からなくなっていたのです。私たちは目を凝らしてズレを探し、唯一見つけることができたものが、下の写真です。
自然のものは時間の流れとともにどんどんと分からなくなっていってしまう、ということを痛感させられました。
そして、最後に向かった場所は江崎灯台です。
江崎灯台では、阪神淡路大震災の爪痕の残る、灯台へと続く階段や敷石を見る予定でした。
ところが残念ながら、私たちが巡検に行った9月はちょうど雑草の生い茂る時期だったため、それらを自分たちの目で直接きちんと見ることはできませんでした。
ですが、大木研のメンバーで階段に一列になって並んだことで、階段のズレの分かる写真を撮ることは出来ました。
今回の淡路島の巡検では、「人の手が加えられて」保存された場所からも、「人の手が加えられずに」ありのままに残されている場所からも、地震という現象を感じることのできた巡検でした。このような視点を持って巡検をしたことは今まではなかったので、とても刺激的で面白い巡検でした。
そして、やはり現地に行くからこそ感じられることというものはたくさんある、ということを改めて感じました。私たちは今年で卒業してしまいますが、これからも巡検という機会を大切にしていく風土が大木研究会に受け継がれていってほしいと思います。