幼保施設向け教材
【はじめに】
このページでは,幼保施設を対象とした防災の教材をご紹介します.
以下に記載する内容は,手引きにまとめられていますので,是非ダウンロードしてご活用ください.
「命を守る3つのポーズ」とは?
年齢に関係なく覚えておくべき防災行動をわかりやすく伝えるため,大木研究会では「命を守る3つのポーズ」を伝えています.地震は前触れなくやってきます.地震が発生した瞬間に,保育者が全幼児を同時に守ることは不可能です.そもそも,強い揺れの最中に言葉を発することも難しいため行動を指示することすら困難です.したがって幼保施設においては,「命を守る3つのポーズ」を定着させ,反射的にこれらのポーズが取れるようになることが重要です.施設で過ごす時間は周りに机がないことが多いため,訓練では「だんごむしのポーズ」を重点的に練習すると効果的です.
ダンゴムシのポーズ(地震:机がない時)
大きな危険にお尻を向け,ひじとひざ,足の甲を床につけます.手で水をすくう形にして,頭を守ります.当然のことながら,耐震性のある建物内にいること,および,背の高い棚や重いものが上から落ちてこない環境にあることを前提としています.
サルのポーズ(地震:机がある時)
机にもぐって頭を守り,両ひざを床につけ,机の脚の上の方を持ちます.脚が4本あれば,斜めに持ちます.
アライグマのポーズ(火事の時)
姿勢を低くして,ハンカチもしくは服で,口と鼻をおさえます.
【ダンスで学ぶ「あるこう」 「さるさるサンバ」とは?】
上記「3つのポーズ」を,身体を使って楽しく覚えるためのオリジナルミュージックと,それに合わせたダンスです.これまで,小学校低学年や幼児を対象に実施してきました.
動画は愛媛県愛南町立あいなん幼稚園での様子です.許可をいただいて掲載しています.
「あるこう」;メロディーが停止して木琴音になるところで保育者が言ったポーズを取るという簡単なダンスです.机や椅子をまばらに配置して,そのまわりをみんなで行進し,木琴音のところで正しいポーズを取る(机や椅子が近くにあればサルのポーズ,何もなければだんごむしのポーズ)という椅子とりゲームのような応用版にもアレンジできます.
「さるさるサンバ」;同じ動きの繰り返しで振り付け自体は簡単です.歌詞の中に3つのポーズが出てくるので,そこで指定するポーズを取れれば正解です.音楽は徐々に早くなっていくので,言われたポーズを反射的にできるようになる練習になります.最後はものすごく早くて難しい分,子供たちは大喜びで取り組みます。終わった後,「全部できた人!」と問いかけると白熱します.
【余震の紙芝居】(全7ページ)
避難訓練に余震を導入していますか?余震を伴わない大地震は世界にひとつも存在しません.そこで,「大地震のあとには何度も地震が起こるもの」と子供達に周知できるような紙芝居教材を用意しました.
物語の中では,地球内部で暮らすナマズの家族が風邪を引き,何度もくしゃみをすることで,大きな揺れ(お父さんナマズのくしゃみ),小さな揺れ(お母さんナマズと子供ナマズのくしゃみ)が繰り返し起こると説明します.
余震の紙芝居と併せて,太鼓の音や緊急地震速報の報知音で訓練をしてみましょう.
【訓練への応用:太鼓や緊急地震速報の報知音での練習】
「太鼓が鳴ったら地震.ダンゴムシのポーズ」というゲームを繰り返します.太鼓を長く叩いて音(地震)を継続させたり,強弱をつけたりすることができます.慣れてきたら緊急地震速報の報知音を使用しましょう.
【火事の紙芝居】(全10ページ)
火災への対応で重要なのは,誘導灯を見つけて避難することです.この紙芝居では,「誘導灯のある場所に向かう」「姿勢を低くし鼻と口を覆う」の2つを伝えます.物語の中では,誘導灯を「ゆうどうくん」と名付け,ヒーローのように登場させます.
紙芝居の後に,子供達と一緒に施設内の誘導灯を探しましょう.ひとつの施設の中に「ゆうどうくん」が何人もいることがわかります.
※ 「ゆうどうくん」は東京消防庁防災館での消火体験コーナーにて,子供向けの動画コンテンツからヒントを得て作成し,許可を頂戴して公開しました.
※このページにアップロードしている全ての画像・写真・動画は,許可をいただき掲載しています.
協力:
愛媛県愛南町立あいなん幼稚園
株式会社GIビレッジ クランテテ三田